中古タワーマンション選びのコツと、失敗を防ぐ3つのポイント
近年、中古マンションが人気です。
2010年代後半からほぼ毎年、中古マンションの成約数は、新築マンションの供給数を上回っています。
中古マンションが人気の理由は、住んでからの状況がイメージしやすいことや、新築に比べて購入価格が安いことにあります。
2000年代に爆発的に流行・建築ラッシュが続いたタワーマンションにも、中古物件の供給が増えています。
新築価格では手が出なかった物件も、中古なら買える価格にまで落ち着いているかもしれません。
また地上100mを超える高層階など、想像しにくかったタワーマンションでの暮らしも、中古なら事前に確認できます。
そこで、
■中古タワーマンション選びのコツ
■中古タワーマンション選びでよくある失敗例
■中古タワーマンション選びで失敗しないための3つのポイント
について解説します。
タワーマンションの中古物件を探している人は、必見の内容です。
中古タワーマンション選びのコツは「資産価値」にあり
中古タワーマンション選びのコツは、「新築時の資産価値が、なるべく保たれた物件を選ぶこと」です。
タワーマンションの資産価値は、立地・眺望・共用施設などによって決まります。
・駅直結など便利な立地
・高層階からの眺望
・万全のセキュリティ
・ホテルのように豪華な共用施設
といった条件が揃ったタワーマンションは、一般的なマンションに比べて、ハイクラスで上質な暮らしができることが資産価値。
中古タワーマンションの場合はさらに、こうした資産価値が、新築時と同様に保たれているかをチェックする必要があります。
新築時の資産価値が保たれた中古タワーマンションは、共用施設なども豪華なままで、住みやすい物件といえます。
また資産価値が高ければ、将来的にその物件を手放すことになっても、取得価格に近い金額で売却できる可能性もあります。
中古タワーマンション選びでよくある失敗例
せっかく買った中古タワーマンションで、「こんなはずじゃなかった」の失敗をしたくはありませんよね。
まずは、中古タワーマンションを買ったときによくある失敗例を知っておきましょう。
●1.修繕積立金が値上がりした
多くのマンションは、建ってから約12年のサイクルで大規模修繕をおこないます。
大規模修繕は、文字通り外壁修繕など大規模な工事で、莫大な費用がかかります。
本来、大規模修繕の費用は、入居者が毎月管理組合に払う「修繕積立金」でまかなえるはずなのですが。
大規模修繕の費用概算が甘かったり、思わぬ修理費用がかさむなどして、修繕積立金が不足することがあります。
その場合、毎月の修繕積立金が大幅に値上がりしたり、不足費用分を一時金として徴収されることもあります。
中古タワーマンションの中には、築10年を超え、1回目の大規模修繕を間近に控えた物件も多くなっています。
中古タワーマンションを選ぶときは、大規模修繕の予定や、修繕積立金の値上がりの可能性などを、不動産会社によく確認しておきましょう。
●2.設備の修理・交換が相次いだ
タワーマンションに限らず、中古物件で注意したいのが住宅設備の故障です。
たとえば給湯器・浴室設備(換気扇など)・キッチンなどの耐用年数は、10~15年がほとんど。
築10年以上の中古タワーマンションを買うなら、壁や床だけでなく、給湯器などの住宅設備もリフォームの必要があると思っておいた方が良いでしょう。
●3. 共用施設が使いづらかった
スポーツジムやジャグジー、高層階のパーティールームや展望テラスなど、豪華な共用施設はタワーマンションの魅力のひとつ。
住み始めてから、共用施設を使うのを楽しみにしている人も多いでしょう。
しかしタワーマンションの共用施設は、意外に使わないものが多かったり、使いづらさを感じることも。
その理由は
・共用施設の使用者内で派閥ができている
・利用希望者が多くて予約が取れない
・経年劣化がひどい
など様々です。
中古タワーマンションを内見する際は、部屋内だけでなく、共用施設の利用状況や、利用者の雰囲気などもチェックしておくとよいでしょう。
▼タワーマンション住人が明かす「共用施設を使いづらい」理由とは?
【関連記事】タワーマンションの共用施設ランキング!あまり使わないorあって良かった施設10選は?
中古タワーマンション選びで注意したいポイント3つ
中古タワーマンションで失敗しないために注意したいポイントは、以下の3点。
1.立地
2.眺望・日当たり・騒音
3.共用設備の管理状況
3つのポイントについて詳しく解説していきます。
●1.立地
新築・中古に限らず、住宅を選ぶ際に重要な「立地」。
通勤通学に便利な交通機関が整っているか。
買物・教育機関・病院などの生活に必要な施設が近くにあるか。
地図上や、物件情報で確認できる事はもちろん。
中古タワーマンションの良いところは、そのマンションや街で暮らす人々の雰囲気を、実際に感じられることです。
シニア世代が多いのか、子育て世代が多いのか。
日中でも静かな、閑静なエリアなのか。
夜でも賑やかな、都会的なエリアなのか。
最寄り駅やスーパーなどは混雑しているのか、ゆったりしているのか。
利便性だけでなく、中古タワーマンションの「立地」が自分の生活スタイルに合っているかが重要です。
「立地」は中古タワーマンションの資産価値にも、生活の質にも大きく影響します。
買ってからでは変えられない要素なので、しっかりチェックしましょう。
●2.眺望・日当たり・騒音
眺望・日当たり・騒音は、実際に部屋に入ってみないとわかりません。
中古タワーマンションの良いところは、建った後だからこそ、実際の眺望・騒音・日当たりを確認できることです。
高層階の物件でも、目の前に同じぐらいの高さの建物があれば、眺望は期待できません。
人気の南向き物件でも、逆に日当たりが良すぎて暑いなど、思わぬデメリットに気付くこともあるでしょう。
▼一般的に人気な「南向き」は、タワーマンションでは不人気?
【関連記事】タワーマンションで人気の方角は?方角によるメリット・デメリット解説
静けさを求めて郊外のタワーマンションを選んでも、上階や隣戸がうるさければ騒音は発生します。
逆に駅直結で騒音がひどいかと思いきや、防音施工がしっかりしており、意外に気にならないこともあります。
▼タワーマンションは騒音がひどいって本当?
【関連記事】タワーマンション特有の騒音とは?床・壁など4つの原因と対策
眺望・日当たり・騒音は中古タワーマンションの資産価値に影響し、買ってからでは変えられない要素です。
どこまでこだわり、どこまで許容できるのかも、人によって様々。
朝昼晩と時間を変えたり、平日・休日と曜日を変えたり、様々な条件で内見してチェックしましょう。
●3.共用施設の管理状況
タワーマンションには、共用施設が数多くあります。
・駐車場、駐輪場
・エレベーター
・エントランス
・中庭
といった基本的な設備から。
・スポーツジム
・プール
・ジャグジー
・パーティールーム
・キッズルーム
・ゲストルーム
・展望テラス
・バー
・カフェ
といった、タワーマンションならではの共用施設まで。
タワーマンションは共用施設が多い分、維持費も高くなる傾向があります。
【関連記事】タワーマンションの管理費・修繕積立金の平均相場は高い?老後も一生払うの?
しかし、豪華な共用施設はタワーマンションの資産価値のひとつ。
共用施設を適切に維持していけるかどうかは、管理組合の運用にかかっています。
管理費の使いみちや修繕計画、それに基づく適切な修繕費用の積立計画など…
管理組合の運用がしっかりしているマンションは、適切な修繕がおこなわれるため、資産価値が落ちづらくなります。
また急な修繕積立金の値上がりや、無理な一時金徴収にあうリスクも低くなります。
管理組合の運用がしっかりしているかどうかは、実際の共用施設の管理状況をみることで推測できます。
駐車場、駐輪場は清潔に整えられているか。
エントランスや中庭は美しく整備されているか。
ロビーに置かれたソファなど、共用施設の手入れは行き届いているか。
中古物件だからこそ、管理がしっかりしており、新築時からの資産価値が保たれているタワーマンションを選ぶことが重要です。
中古タワーマンションを内見する際は、部屋だけでなく、共用施設の管理状況についてもチェックしましょう。
まとめ
中古タワーマンションには、新築より価格が安く、住んでみないとわからないポイントも事前に確認できるメリットがあります。
しかし築年数によっては大規模修繕を間近に控え、修繕積立金の思わぬ値上がりがあることも。
中古タワーマンション選びで失敗しないためには、資産価値がなるべく保たれている物件を選ぶことです。
そのためには、
・利便性が高く、自分の生活スタイルに合った「立地」か
・「眺望、日当たり、騒音」はどうか
・共用施設などの「管理状況」がしっかりしているか
をチェックすることがポイントです。
ぜひご自身に合った、素敵な中古タワーマンションを見つけてください。