タワーマンションの管理費・修繕積立金の平均相場は高い?いつ上がる?老後も一生払うの?

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タワーマンションは分譲価格や家賃が高く、高級なイメージがありますよね。

 

実は管理費や修繕積立金などの維持費も高いんです。

 

住宅ローンなどとあわせて、毎月の固定支出となるのが管理費や修繕積立金。

 

いざ住むことを考えると、資金計画に外せない支出項目です。

 

そこで、タワーマンションの

 

・管理費と修繕積立金の平均相場

 

・管理費と修繕積立金が高い2つの理由

 

・管理費や修繕積立金が上がるタイミングは築後何年?

 

・老後の年金生活でも管理費と修繕積立金は払えるのか?

 

について徹底解説します。

 

なおこの記事では、「20階建以上」のマンションをタワーマンションと定義します。

 

 

タワーマンションの管理費の平均相場は2万5,000円

 

タワーマンションの管理費の平均相場は、25,069円です。

 

3階建以下の低層マンションの管理費相場14,965円と比べると、約2倍も高いことがわかります。

 

 

タワーマンションの修繕積立金の平均相場は1万2,000円

 

タワーマンションの修繕積立金の平均相場は、12,305円です。

 

修繕積立金の相場は3階建以下のマンションでも9,745円となっており、大きな差はありません。

 

それでも20階建以上のタワーマンションは、他の階層のマンションと比べると、修繕積立金の相場が一番高くなっています。

 

 

 

タワーマンションの管理費はなぜ高い?

 

タワーマンションの管理費の平均相場が高い理由は、2つあります。

 

1.共用施設が充実しているため

 

2.サービスが充実しているため

 

ここからは、2つの理由について詳しく解説していきます。

 

1.共用施設が充実しているため

 

共用部

 

タワーマンションには、様々な共用施設が充実しています。

 

・スポーツジム

・スパ

・スカイラウンジ

・ライブラリ

・プライベートガーデン

・キッズルーム

・パーティールーム

・ゲストルーム

・シアタールーム

・メインエントランス

・高層階用エレベーター

 

など、豪華かつ充実した共用施設がタワーマンションの価値であり魅力でもあります。

 

またタワーマンションには、高層ゆえに設置が義務付けられている設備もあります。

 

たとえば

 

・非常用エレベーター(地上30m(約15階)以上の建物に必要)

・ヘリポート(地上100m(約30階)以上の建物に必要)

 

などは、高層タワーマンションならではの非常用設備です。

 

こうした多くの共用施設の運営・保守・点検には、管理費が充てられます。

 

さらに共用施設のほとんどは居住者専用のため、全ての運営費等を居住者が負担する必要があります。

 

共用施設が充実していればいるほど、管理費も高くなります。

 

2.サービスが充実しているため

 

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タワーマンションには、様々なサービスが充実しています。

 

たとえば

 

・コンシェルジュ

・最新のセキュリティ

・フロア毎のゴミ回収

 

といったサービスは、ワンランク上のホテルライクな暮らしを実現するのに欠かせません。

 

こうしたサービス費用も、管理費でまかなわれます。

 

便利で上質な暮らしを支えるサービスが多ければ多いほど、管理費も高くなります。

 

 

タワーマンションの修繕積立金はなぜ高い?

 

タワーマンションの修繕積立金の平均相場が高い理由は、2つあります。

 

1.特殊な共用施設が多いため

 

2.特殊な修繕工事が必要なため

 

ここからは、修繕積立金が高い2つの理由について詳しく解説していきます。

 

1.特殊な共用施設が多いため

 

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タワーマンションには、他のマンションにはない特殊な共用施設が充実しています。

 

たとえば

 

・エントランス

・宅配ボックス

・ゴミステーション

 

などは、比較的多くのマンションに備わっている設備です。

 

しかし

 

・スポーツジム

・スパ

 

などは、高級感が魅力のタワーマンションならではの共用設備です。

 

特にスポーツジムのプールやスパなどの水回り設備は、運営にも修繕にも高額な費用がかかります。

 

2.特殊な修繕工事が必要なため

 

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タワーマンションは高層ゆえに、

 

・外壁工事

・高層用エレベーターの修理

 

などに特殊な修繕が必要になります。

 

たとえば外壁工事の場合、15階ぐらいまでは一般的な足場を組んでの作業が可能です。

 

しかし16階以上になると、屋上からゴンドラを吊るして作業する必要があります。

 

一般的な足場を組むより、フォークリフトを屋上まで運びゴンドラを吊るす方が、費用は高額になります。

 

タワーマンションは高層ゆえに、修繕工事も特殊になり、修繕積立金が高額になる傾向があります。

 

 

管理費や修繕積立金はいつ・どれぐらい上がる?

 

管理費や修繕積立金は、築年数とともに、分譲当初の金額から更に上がる可能性があります。

 

タワーマンションの築年数が経って古くなれば、設備管理や修繕によりコストがかかるからです。

 

管理費や修繕積立金が上がるのは具体的にいつ頃で、いくらぐらい上がるのでしょうか?

 

一例として、一般的なマンション全体の、修繕積立金の増額タイミングと増額幅をデータから見てみましょう。

 

修繕積立金の増額は、築後15~30年前後が目安

 

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によれば、修繕積立金を増額したことがあるマンションは全体の約80%。

 

中でも築後約15年・25年・30年が経過したマンションの95%前後が、修繕積立金を増額したことがあると答えています。

 

なぜ築後15年・25年・30年のタイミングなのでしょうか?

 

築後年数と修繕積立金の増額の関係は、マンションの大規模修繕のタイミングと関係があります。

 

マンションは建築基準法の関係で、約12年に1度のタイミングで外壁補修などの大規模修繕を行う必要があります。

 

大規模修繕は、マンションの外に足場を組むなど大掛かりな工事になるため、莫大な費用がかかります。

 

毎月の修繕積立金はこの大規模修繕に備えるものですが、実際に大規模修繕をおこなうと予想以上にコストがかかり、修繕積立金が足りない場合も。

 

分譲当初と12年後では、建築資材や工事費用の相場が変わっていることもあります。

 

1度目の大規模修繕を築後12年で行うと、2度目の大規模築後は築後24年のタイミング。

 

1度目や2度目の大規模修繕で修繕積立金の不足を経験したマンションが、よりコストがかかる次の大規模修繕に備えて修繕積立金を増額するのが、築後15年・25年・30年頃と重なると考えられます。

 

 

修繕積立金の増額は、1㎡あたり64.3円が目安

 

国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によれば、修繕積立金を増額したマンションの増額幅平均は、1㎡あたり64.3円でした。

 

例えば80㎡の部屋の場合、修繕積立金の値上がり幅は平均5,144円になります。

 

月々5,000円の支出増が負担となるかどうかは各々の家計によるところもありますが。

 

老後、年金だけで生活することを考えると、決して楽な負担とは言えなさそうです。

 

 

管理費や修繕積立金は老後も一生必要?年金では払えない?

 

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タワーマンションの管理費と修繕積立金の平均相場をあわせると、毎月の維持費は約3万8,000円。

 

毎月の支出でいうと、さらに住宅ローンや駐車場代もあります。

 

住宅ローンはいつか払い終わり、駐車場代は車を手放せば不要になります。

 

しかし管理費・修繕積立金は、そこに住み続ける限り一生払い続ける維持費です。

 

働き盛りで収入に不安がない間はまだしも、老後の年金生活でも払えるのか不安になりますよね。

 

 

現在の1人あたりの年金受給月額の平均は

 

・国民年金(自営業やフリーランス等)…5万5,708円

 

・厚生年金(会社員等)…14万3,761円

 

(厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成30年度)」より)

 

たとえば独身の自営業者の場合は、約5万5,000円。

 

夫婦とも会社員で共働きの場合は、あわせて約28万7,000円の年金が受け取れます。

 

しかし管理費や修繕積立金は、建物の築年数とともに高くなります。

 

また年金受給月額の目安はあくまで現在のものであり、20~30年後には同額の年金がもらえるとは限りません。

 

管理費や修繕積立金が高いタワーマンションは、老後の資金計画に十分余裕をもっておく必要があります。

 

管理費や修繕費が払えないとどうなる?

 

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万が一、住んでいるタワーマンションの管理費や修繕積立金を払えない場合、どうなるのでしょうか?

 

管理費や修繕費が払えなくなった場合、まず管理会社や管理組合、場合によっては裁判所から督促状がくることが考えられます。

 

それにも応じず住み続けた場合、裁判所からの強制執行で、給料や預貯金といった私財の差し押さえが行われることも。

 

管理費や修繕積立金を払わない住民が増えれば、タワーマンションの管理維持が立ち行かなくなってしまいます。

 

一方、管理費や修繕積立金の滞納の時効は5年です。

 

そのため管理会社や管理組合も、滞納者には確実な支払いを求めて、厳しい法的措置をとることが考えられます。

 

管理費や修繕積立金は滞納することがないよう、余裕をもった資金計画をたてておくことが大切です。

 

 

まとめ

 

一般的なマンションよりも、共用施設や特殊な設備が多く、修繕も必要なタワーマンション。

 

そのためタワーマンションの管理費や修繕積立金は全体的に高くなっています。

 

一方タワーマンションは資産価値が高いため、老後は売ったり賃貸に出して、維持費の安いマンションに住み替えるのも手です。

 

タワーマンションを選ぶときは、分譲価格や家賃だけでなく、住んでからの管理費や修繕積立金にも注目する必要があります。

 

そのためには自分たちのライフスタイルに本当に必要な共用施設なのか、無駄な設備が多くないか吟味することもポイントです。

 

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